ちーず研究所

好きなことをのんびり 読書/日記

銀英伝 本伝 感想

去年夏休みの読書感想文言い方です!図書館はおもしろい本に出会えるサイコーの場所!

英伝 ヤン提督とフレデリカとユリアン以外のお名前を自由惑星同盟側は覚えてなかったけど(ザコ)17話でcv三木眞のハンサムガイがすごい押せ押せな感じでヤンに椅子ドンかましてて急に気になってしまいアカンのですが……全然わからんけど同盟軍女の子と少年いるから好きだ!とぼんやり見てただけなのに

 

姉のために皇帝に復讐する!ってラインハルトが言っててルルーシュか!?と思ったら急にキルヒアイスがスザクに見えてきた 確かにキルヒアイスはラインハルトに必要な存在だ……10歳でバラバラにならなかったルルーシュとスザクの図がここにある……(たぶん)

 

 ということをNHKの放送を見て思ったあと原作を読み始めました!

以下感想です……本を読了する期間持てたこと 夏休みに感謝しました(短かったけど…) 

 


少年期のさなかで……万人が認める美貌の所有者である。(野望篇 p16)

ユリアンは美貌の少年なんですか?!!初耳なんだが……お父さんもきっと美形だったのでしょう!(母親が帝国出身だしな……)
キャゼルヌが後方支援の達人でイゼルローンの実質市長なら彼が自由惑星同盟の政権を握ればよかったのでは?と思いましたが いや……そう単純に考えられることではないのだ……キャゼルヌはヤンの部下だしアムリッツァ会戦での責任を取らされた身だし……

なんらかの形で、ヤンにとってかけがえない存在になりたかったのだ。(野望篇 p106)

もうすでに家族というかけがえのない存在ではないでしょうか?!!一巻の「守ってさしあげます」もそうだけどユリアンはヤンに特大感情を抱きすぎではないですか?15の年齢差が親子でも兄弟でもないからなのか……

黒髪の若い司令官は跳びあがって叫ぶと、その報告書を放り上げ、あっけにとられているユリアンの両手をとって、部屋じゅうを踊りまわった。(野望篇 p176)

この後シェーンコップとフレデリカとフィッシャーに見られて照れる提督の姿があるんですがこの三十路可愛いなと三者の心臓ぶちぬいたことが伝わります!(そうか?)

 

⚠️注意 ネタバレです(いまさら)


野望篇さあ…………

キルヒアイスに思いをはせてつらくさせるな…!

だって外伝だと生命のピンチになってもお互い支えあって生きてたから 外伝にはズッ友のラインハルトとキルヒアイスがいたのに……

本伝 全10巻だったのでせめて7巻までは生きてるだろうってたか括ってたのにこのザマ だめだめだもう

今日が学校ある日とかじゃなくてよかったです……絶対キルヒアイス以外のこと考えられんかった


アンネローゼはキルヒアイスのことを愛していたのか

「彼(ラインハルト)の思いは正しかったのである」って直前にかかってるのかな

「その表情を忘れることはないだろう、と彼は思った」

これは地の文に書かれてる思いであって、「姉上はキルヒアイスを……」は声に出した台詞で言葉なわけですよ アンネローゼがキルヒアイスのことが好きなら「言葉は正しかったのである」になると思うんですよね でもいや好きだろ絶対…愛してるでしょ 男女間ではなく家族愛であっても……ラインハルトがキルヒアイスを半身に思ってたように、アンネローゼもキルヒアイスを弟に思っていたかなんかしただろうから…

でもキルヒアイス、ミューゼル姉弟以外には残酷にもなれるってあるし その面が出ずに死んだのはいいことなのでは……そんなわけないだろ!死ぬな!!(キルヒアイス…せめて夢を壊してから死んでくれ……という気持ち)(いいやつすぎて殺されたの フラグ回収するな!という気持ち)

 

ここから三巻です…

 
雌伏篇 帝国がキルヒアイスの抜けた穴に嘆くのでなら殺すな!と苛立つのと同盟がヤンを査問にかけてるときヤンが辞表を出さないかヒヤヒヤしてヤンの反論ほぼすっ飛ばしてしまいました(最悪)

だってイゼルローンまで帝国が攻めてきてるのにヤンが辞表出したら司令官もいないし 辞表を取り下げざるを得ないのはヤンだし

それに政治家がコロコロ意見変えるな!と批判してもそうですねとしか思わないし……早く辞表捨てろ!とすっごい気にしてしまいました まあ辞表あんま出てこなかったしヤンの気持ちを強く持たせてただけでしたが……

でも焦れ焦れしたぶんスッキリする展開で気長に安心して読めるやつだ!という安定感を得ました 田中芳樹先生すげ〜〜よくこんなポンポン(?)展開思いつくな…ってぐらいとんとん拍子で話が進むので日をあけて読まないと深く考える隙間をつぶしてしまう (夜中にウンウン唸ってる)


シェーンコップが付いてきましょうか?ってのにヤンが頷いてたらイゼルローンはアカンかったしうわ〜〜となる ハイネセンに元帝国出身のシェンコが来たとしても冷遇だろうな…と伺えて来なくてよかった!と思いました グリーンヒル大将の優秀な娘でさえあんな仕打ちだったのだ……

もののみごとにひっくりかえり、腰からシートに落ちこんでしまった。(雌伏篇 p306)

かわいい!!今回イチの癒しポイントですこれは!!(ユリアンと離れてから軽口がなかったので)


一巻ぶりに帝国と同盟が向かい合って戦ったのでこれだよ……と思っていましたが帝国にキルヒアイスのこと嘆く人多すぎてローエングラム朝の亀裂に悲しむしかできないのですが……


アムリッツァの大敗 余波が永遠に続いててなんで起きてしまったのか……となります ヤンがトップにいて欲しいとは外伝の時の不遇時代から思ってたけどいざなるとその時ってヤン以外の提督とか大将とかが役に立たない時で そんな ヤンに負担を強いりすぎでは……

ヤンには(彼の意見を生かしてくれる上司がいる状態での)参謀長とかが一番向いてたと思うな 嫉妬の対象として矢面に立つんじゃなくて上司に可愛がられながら仕事して退役していって…


この時まだキルヒアイスがいてばっちり援護してたし双璧が活躍したしでラインハルトの強さを示してたしヤンの逃亡に興奮してたんだけどそれがこの……後に続く展開を考えるとそこまでしてくれるな!となります せめてウランフさん残してくれても……(同盟の有能をよく知らない)

いっぱい艦隊がある中でヤンの有能さが輝いてたのがよかったのであって ヤンが政治家に悩まされ内乱に対応してるのも元凶は全部アムリッツァに集約されてしまうのが悲しい

 

風雲篇

こうしてヤンは、温和な紳士という評判を、失わなくてすんだのである。自分の才覚によらず……。(風雲篇 p170)

セコム2人でがっちりガードしてきてたのでウケてしまいました フレデリカはもっともらしいこと言って退けるしシェーンコップは物理的に退ける ユリアンがいたらジャーナリストのこと絶対睨んでた ヤン艦隊を代表する過激派三人衆だから……(シェーンコップはヤンの何なの?)

キャゼルヌ先輩もいたと思うんですけど出てこないのが逆に過激っぽくて 先輩は2人の手際に引いてた思うよ


「ミスター・レンネンか」とヤンは勝手に他人の姓を省略してつぶやき、(風雲篇 p210)

なんでそこで止めたんだ?!カンプまで言え!と思いましたがンプ以外は言ってたな……なんでそこで止めたん?スールさんに通じるものがあるな……


ラインハルトの壮大な戦略が具体的に発動されたのは4月4日、(p240)

これ提督お誕生日じゃないですか?!おめでとう……(おめでとうと言えるのか…?)


彼を答えられなくしたのはラインハルト自身だった。(p301)

そんな、そんな悲しいこと言うな!!!!!(怒)

確かに取り返しがつかなくなったけど おまえ 責任を負いすぎるんじゃない…………

 

あとドドド興奮したシーンがあって……抜粋引用失礼します 

「……あれがヤン・ウェンリーか?」ささやきかわす声の小さな波がヤンの耳にも打ちよせてくる。失望しているのではないかな、と、他人ごとながら思いやる気分になるヤンだった。(p355)

(中略)こうして、ぬいだ黒ベレーを片手にしたヤン・ウェンリーは、ラインハルト・フォン・ローエングラムと直接、相対したのである。(風雲篇 p357)


出会ってしまった……主人公の概念が好きなのでどちらも応援してたんですがこうして2人きりでお茶会してると することなくて感激しますね……

徹底的に隙間を封殺してくる作者だ……

「ラインハルトが捕虜になったヤンに対談を望む」はいろいろなifが転がりかねない事態だしここで ここでね スカウトに成功していたなら……キルヒアイスがいたらヤンの願望をピンポイントに付いてきただろうと思います 福利厚生、人心掌握に長けていた男なので……

ノイエ見てるときに二人の茶会見たいな〜って支部探してなかったので絶望したんですが 公式にありますね………読者の期待を裏切らない 感謝


バーミリオン会戦 ヤンが無双してたこと以上にパッと出てくることがなくて なんか この巻の副題はヤン無双とかでもよかったのではというぐらいヤン・ウェンリー 今までにないほど戦術的に天才すぎる……絶対アドレナリンどばとばだよ 不眠不休以上に戦場での熱を退役しても発散させられないよ フレデリカ…どうか……お酒を控えるよう言っててくれ……


 

⚠️注意です!!!!

 


ヤン提督 どことないネタバレ踏んでたので呼吸整えて臨んだんですけどそれでも それでも辛かったですよ………おまえ…死ぬことがあるのか…となってしまった ちょくちょく後世の歴史家は…とか〇〇が達成されることはなかった…とか不穏だったんですが そんな ここで死ぬな…

パトリチェフはエルファシルの後 はじめに見つけた部下で ヤン…(螺旋迷宮から入ったオタク)

ブルームハルト……ムライ…

キルヒアイスもショック大きかったけどこれは もう 2日ならず一週間待ってくれ…という気持ち 返却期間すぎてしまうが…


扉絵がネタバレしてきたのでやめろ!!!と思いながら覚悟決めてたんですが(天才なので目次ページは飛ばしました)章の名前もなるべく見ずに銀河のページめくってたのに それでも二章分くらいずっと次のページには死んでそうで私の方が死ぬかと思った(つらくて)


回天篇 解説が小野不由美(敬称略)だったのでどこの地獄のでも待ち受けてんな!と驚いてしまいました 結局乱世篇から一日もあけず続巻に手を出したんですが ロイエンタールとヤンが同い年だった…みたいなの強調されてて両者の対比がいいですね


ミッターマイヤーは子供を授かりたかった ヤン自身はわからないけどフレデリカの未来には最低孫までの想定があった でも女嫌いで漁色家のロイエンタールと精神的に未熟なラインハルトが子供を授かる

後継者を直接血縁者にこだわる必要はないし、ミッターマイヤーがフェリックスを育てヤンがユリアンを育てたのは父性の対峙だった と思います


帝国に比べて同盟は父を尊敬する人が多い印象で ヤンは16歳で天涯孤独となりユリアンは8歳で父を亡くした アッテンボローは父と祖父の約束で士官学校に行った それでも父がとてつもない悪人とは描かれず罵倒があったとしてもむしろ良好な関係ゆえの軽口に見えるんですよね というかユリアンの精神的な父はヤンなんだけど グリーンヒル中将も内戦を促されなければ不満を唱えつつ現状維持だっただろうし

同盟の家庭人としての男性はそう悪くないし制度の腐敗は忌むところだけど個々人としては良好な健康状態だったと思います


同盟をほめまくりましたが帝国もいい人いるし それを描く前に可能性を潰させたのはヤン艦隊との交戦によるものが多かったと思います 一番は皇妃をなかなか決めなかったラインハルトだろうけど キルヒアイスとアンネローゼとを引きずるにしても年月による風化は期待できないものだったし

メルカッツは妻子を残して亡命した ケンプは妻子もいたしリンツには婚約者がいたしラングは家庭人としてはよかったし……みんな死ぬな……(つらくなってきた)

 


乱離篇 回天篇

どっちもオーベルシュタインへ対する疑心からの慎重気味な行動が悪い方向に進んでるのでオベはいるだけで不安の種になるんだな……と思いました 公人としては悪いやつじゃないんだよ……ただ…好かれる努力を怠っているだけで…

近くにいるとコイツ…ってなるけど下にいる身としては厳しいながら才能は認めざるを得ない…となる(公正だし)関わらなければ無害 国のことを思ってくれている たぶん…

 イゼルローン奪取に成功したヤンは査問会で私刑にかけられそうになるけど 外交問題が解決したら内戦が起きるのは必然だしヤンを失った帝国の次の問題は内戦しかないんだなあ

いつ反乱を起こされるか不安に思うようなラインハルトじゃないけど敵将ヤンの喪失はラインハルトの精神に味方の喪失以上のものをもたらす キルヒアイスを失って それ以外にもとりこぼしていくのが…

 

 


命日をTwitterで知ってしまっていたので毎回その日周辺になると今年かな?いやまだ……って過ぎるのをドキドキ見守ってたんですが いざその瞬間なると もう 頭がすっからかんですよ


ネタバレを踏まないようにGoogle検索もWikipediaも封印して本伝に挑んだので解禁した時のあーなるほどね感と情報に踊らされてる感がたまらなかったです 活字オタクにも読み応えばっちし!

 

英伝 気になった時図書館に一巻がなくて、返却されるまで外伝でも読も!って貸し出されてなかったうちの螺旋迷宮→星を砕く者→千億の星/光を終えてから本伝読み始めたんですが改めて思うと意味わからん読み方してしまいましたね……(後から気付く)

ヤンのことが気になってたのでエレノアに行くやつまっさきに読んだんですが 430年のマフィアとかエルファシルの英雄とかについてめっちゃ説明あってミリしらレベルの知識だったので混乱しながら同盟の英雄話を急に詰め込まれてました そのおかげで一巻はじめの戦歴みたいなやつこれか!ってうなずきながら読めたんですけど……いや普通に一巻から入って横におきながら読んだ方がワクワクしただろうなと思いました

時系列ぐちゃぐちゃですよもう……キルヒアイスに思いっきり入れ込んでしまったので二巻に耐えられなかったですね…2日くらいなんも考えずに生きていました だって外伝ではキルヒアイス以外に頼れる人おらんかったんですよ!!!?幼馴染がお互いに通じ合ってるのを感じていたのに……キルヒアイスが父母を10歳以来に訪ねるみたいな話でほんわかしてたのに……ワンチャンあれが最後の会話だったのでは……エーンエンエン…


外伝一覧見て気づいたんですが 本伝前にイゼルローン日記を読まなくてよかった……(唯一 一巻以降の話)

○○は死ぬ!でも外伝まで耐えろ!みたいな感じの情報に踊らされつつ本伝履修楽しみにしてるので銀英伝 夏が明けるまでには 読破してやりますよ!(まだ読み終えてない)(読み終えました!)